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自分の愚かさとモットンマットレスの偉大さ

自分の愚かさとモットンマットレスの偉大さ

22歳の頃に、初めて一人暮らしをした。それまではずっと実家暮らしだったため、寝る環境のことなんて一切考えたこともなかった。今でも覚えている。

あれは一人暮らし初日から一週間ぐらいまでのこと。布団だけ買って、マットレスはついつい面倒で買わずにいた。フローリングの床に布団を直置きして寝ると、背中が痛くなるなんて知らなかった。

無知だった。急いでマットレス…ではなく、ソファベッドを購入した。私の若いころの発想は、無鉄砲で、思慮にかけていて、とにかくその場の勢いだけだった。

ソファベッドを購入した理由は、とにかく部屋が狭かったから。

ベッドを買うと部屋全体がそれだけになってしまい嫌だったからだ。ソファベッドなら、寝るとき以外はソファとして使えるし一石二鳥で良いかもと考えた。ところがどっこい、私が買ったソファベッドは寝心地が悪かった。寝つきが悪く、寝ている途中であまりの寝心地の悪さに起きてしまうのだ。

最初からモットンの折りたためるマットレスを買えばよかったと後悔

「あ~こんなことなら、最初からマットレスを買えば良かった!」と後悔した。泣く泣くマットレスを購入し、ソファベッドとはお別れした。そこが私の転機になった。折りたためて押し入れに片付けられるかは重要なところ

「マットレスひとつでこんなに違うんだ!」と知った私は、その日からモットンマットレスに足を向けては眠れない、否、足を向けて寝ているが感謝することしきりだった。睡眠の質は確実に向上し、もう寝ている途中で起こされることもなく、仕事にも精を出し、恋愛は上手くいきとまるで新手の詐欺話のようだった。本当なんだからしょうがない。振り返ってみると、実家の母は天気が良いとすぐにマットレスや布団を外に出し干してくれていた。あれはちゃんと意味のあることだったんだな。

休日でも寝ることが唯一の楽しみとばかりに布団でダラダラしていると、「布団ほすからどいて!」と母に言われ、渋々抜け出ていた自分に喝をいれたい。今は布団の大切さも、マットレスの大切さも、ちゃんとわかっている。むしろ寝具にこだわりのあるパートナーとの結婚により、夏は各メーカーから出ているどの寝具が涼しいか、冬はどの寝具がより暖かいかを店頭で比較検討するようになった。

「マットレスなんて、無くても大丈夫っしょ」と言っていたこの私が!ときどき寝る前にアロマオイルなんて物まで出すこともある。我ながら、偉大なる進歩だ。

今でも思い出す。実家で太陽の光をたくさん浴びた布団は、フカフカで焼きたてのパンみたいな寝心地だった。お母さん、ありがとう。布団、ありがとう。マットレス、ありがとう。

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